子どもの出っ歯は生え替わりで変わる?治療前に相談する目安|鴻巣市の歯医者|漆原歯科・矯正歯科クリニック

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子どもの出っ歯は生え替わりで変わる?治療前に相談する目安

子どもの出っ歯は生え替わりで変わる?治療前に相談する目安

前歯が大きく見え始めた小学2年生、待つか相談するか

小学校低学年は、上の前歯が永久歯へ生え替わる時期です。生えたばかりの前歯は乳歯より大きく、前に出て見えることもあります。学校の歯科健診で歯並びの相談を勧められ、成長を待つか迷う保護者の方も多いでしょう。見た目だけでは治療が必要かどうかは決まらず、歯の傾きや顎の位置、日々の習慣を診察で確かめるところから判断が始まります。 この記事では、出っ歯に見える理由、相談を考える目安、経過観察と小児矯正の考え方、受診前に整理しておきたいことをまとめました。

この記事の要点まとめ

  • 生え替わり直後の前歯は大きく見えることがあり、歯の傾きや顎の位置、習慣を診察で確認します。
  • 口が閉じにくい、前歯をぶつけやすい、噛み切りにくい様子は相談の目安です。
  • 相談後は経過観察の場合もあり、治療時期や装置、通院頻度、費用を確認します。

目次

生え替わった前歯が出て見えるのはなぜ?

生え替わりの途中で、前歯の見え方は変わる?

6〜8歳ごろに生えてくる上の永久前歯は、乳歯よりひと回り大きい歯です。顔や顎の成長が追いつくまでは、前に出て見えやすくなります。左右の前歯の間にすき間がある、少し外向きに生えている、といった様子も生え替わりの途中ではよく見られます1。

とはいえ、成長とともに目立たなくなるケースもあれば、横の歯が生えそろっても突出が残るケースもあります。どちらに進むかを見た目から読み取るのは難しいため、「成長を待てば変わる」と決めつけず、一度状態を確かめておくと、その後の判断がしやすくなります。

歯の傾きと顎の位置、どちらが関係している?

出っ歯(上顎前突)には、上の前歯が前へ傾いている「歯の傾き」によるものと、上顎が前に出ている、あるいは下顎が後ろに位置する「骨格」によるものがあります。両方が重なっていることも珍しくありません。

診察では、上下の前歯の前後のずれ、噛んだときの重なりの深さ、奥歯の噛み合わせを確認します。必要に応じて、セファロ(頭部X線規格写真)や口腔内スキャナーで顎の位置関係を記録することもあります。遺伝の影響が考えられる場合もあるので、ご家族の歯並びについて伝えておくと手がかりになります。

指しゃぶり・舌癖・口呼吸はどう関わる?

指しゃぶりが長く続くと、上の前歯が前へ押され、上下の前歯の間にすき間ができることがあります2。舌で前歯を押す癖(舌癖)や、鼻づまりなどによる口呼吸も、唇と舌の力のバランスに影響すると考えられています。

ただし、習慣があれば歯並びが必ず変わるわけではありません。診察では「どの場面で、どのくらいの時間続くか」「鼻が詰まりやすいか」を具体的にうかがいます。保護者の方の関わりを問うためではなく、原因の一つとして整理するための確認です。

子どもの出っ歯はいつ相談する?年齢と症状から考える目安

子どもの出っ歯はいつ相談する?年齢と症状から考える目安

乳歯の時期から永久歯がそろうまで、見るところは違う

4歳ごろの乳歯の時期でも、指しゃぶりなどが続くと前歯が前に出て見えることがあります。この時期に中心となるのは、習慣の有無や頻度の確認です。

6歳前後には、乳歯が抜ける前に後ろから永久歯が生えてくることがあります。特に下の前歯でよく見られる現象です2。乳歯がなかなか抜けない、永久歯が大きくずれた位置から生えている、といった場合は一度診てもらっておくと安心です。

乳歯と永久歯が混在する混合歯列期には、前歯の傾きと奥歯の噛み合わせを両方みていきます。治療を始める時期は年齢だけで決めず、状態と経過をあわせて判断します。

口が閉じにくい・前歯をぶつけやすいときは相談を

次のような様子があれば、早めの相談を考える目安になります。

  • 唇を閉じにくく、ふだんから口が開いている
  • 転んだときなどに上の前歯をぶつけやすい
  • 前歯で食べ物を噛み切りにくい
  • サ行やタ行などの発音が気になる

上の前歯が大きく前に出ていると、けがを受けやすくなることが知られています3。顎が鳴る、ポキポキ音がするといった様子に気づいたときは、無理に鳴らさないよう声をかけてください。痛みや口の開けにくさがあれば、受診時に伝えるようにします。顎の音だけでは、出っ歯との関連や矯正が必要かどうかは判断できません。噛み合わせとあわせて診察で確認します。

学校の歯科健診で指摘されたら、何を伝える?

学校の歯科健診は、短い時間で多くのお子様をみるスクリーニングです。指摘を受けても診断が確定したわけではありません。歯科医院で詳しく確かめるきっかけとして受け止めてください1。受診時は健診結果の用紙に加えて、次の情報があると話が進めやすくなります。

  • 前歯が気になり始めた時期と、生え替わりの順番
  • 指しゃぶりの頻度や時間帯
  • 寝ているときに口が開いているか、いびきや鼻づまりがあるか

高校の歯科健診で指摘された場合も考え方は同じです。永久歯がそろった後の歯並びや噛み合わせに応じて、個別に相談していきます。

「早く治療したほうがよい」とは限らない|経過観察と小児矯正の考え方

「早く治療したほうがよい」とは限らない|経過観察と小児矯正の考え方

経過観察を選ぶ場合も、次に見る点を決めておく

早めに相談することと、すぐに治療を始めることは同じではありません。7〜11歳ごろに始める早期治療と、思春期に始める治療を比べた研究があります。早期治療では前歯のけがが減る可能性が示された一方、それ以外にはっきりした差はみられなかったと報告されています4。治療時期の考え方は、根拠を整理した診療ガイドラインでも検討されている分野です5。

噛み合わせや突出の程度を確認したうえで、経過観察となることもあります。その場合は、次の3点を担当の歯科医師と共有しておくと、待つ期間の迷いが減ります。

  • 次に確認する時期(数か月後、横の歯の生え替わり時など)
  • 家庭で見ておく点(口の開き方、指しゃぶりの頻度)
  • 再相談のきっかけ(前歯をぶつけた、急に目立ってきた)

前歯の写真をスマートフォンで定期的に撮っておくと、変化を比べやすくなります。

家庭で見直せる習慣と、自力で歯を動かすことの違い

指しゃぶりは、叱るよりも「手を使う遊びに誘う」「寝る前に手をつなぐ」といった、気持ちが落ち着く工夫のほうが続けやすい場合があります。鼻づまりが続いて口呼吸になっているなら、耳鼻いんこう科への相談も選択肢です。舌や唇の使い方を練習する口腔筋機能療法(MFT)を、歯科医院で指導することもあります。

一方で、前歯を指で押す、輪ゴムをかけるといった形でご家庭で歯を動かそうとすることは控えてください。歯ぐきや歯の根に負担がかかり、噛み合わせが崩れるおそれがあります。習慣がなかなか抜けないときは、時期を見て再度確認してもらいましょう。

矯正を検討するときに聞きたい装置・期間・追加治療

小児矯正では、取り外し式の装置、顎の成長に働きかける装置、子ども向けのマウスピース矯正、部分的なワイヤー矯正などが、状態に応じて検討されます。装着時間や通院頻度(目安として1〜2か月に1回程度)は装置ごとに違うため、診察後に確認しておきましょう。

早く始めても、永久歯がそろってから二期治療が必要になる場合があります。噛み合わせが深い状態を伴うケースでは、治療後に元へ戻りやすい傾向も指摘されています6。保定期間まで含めた見通しを聞いておくと安心です。装置による違和感や痛み、食べにくさ、磨き残しによるむし歯のリスクもあるので、歯みがきの方法や食事の工夫もあらかじめ確かめておきます。

鴻巣市で相談する前に整理したい通院と費用のこと

初回相談には健診結果と子どもの様子を持っていく

健診結果の用紙、気になり始めた時期のメモ、前歯や寝ているときの口元の写真があれば、限られた時間でも状況を伝えやすくなります。質問は「どこを確認したか」「今は経過観察か」「次はいつ診てもらうか」の3つに絞ると整理しやすいでしょう。

当院では、治療に入る前にカウンセリングでお悩みやご希望を伺い、無理に治療を勧めないことを大切にしています。日本小児歯科学会も子どもの口の発育に関する情報を公開しているので、受診前に目を通しておくのもよいでしょう2。

通院頻度と治療費は、始める前に内訳を確かめる

小児矯正の多くは、公的医療保険が適用されない自由診療です。保険が適用されるのは、厚生労働大臣が定める疾患が原因の噛み合わせの異常など、限られた条件に当てはまる場合です。

一期治療の費用は装置や治療期間によって幅があり、一般的には装置代を含めて20万〜60万円程度とされることが多く、これとは別に1回あたり3,000〜1万円程度の調整料がかかることもあります。治療期間は1〜3年程度、通院は1〜2か月に1回程度が一般的な目安です。二期治療が必要になった場合は、さらに費用と期間が加わります。一般的な費用の目安は当院の費用ではありません。実際の費用は医療機関により異なり、当院の費用は診察のうえでご案内します。装置代、調整料、二期治療の費用、医療費控除の扱いを事前に確認しておきましょう。自治体の助成制度がある場合も、対象条件を確かめておきます。

鴻巣市や北本市・桶川市から通う場合は、勤務日や下の子の送迎と重ならない時間帯に通えるかどうかも、続けやすさに関わります。

医院名と診療内容を確かめてから予約する

「鴻巣 マウスピース矯正」「歯科」などで探すと、大人向けの矯正情報が多く表示されることがあります。予約の前に、小児の歯並びの相談を受け付けているかを確認しておくと確実です。「ピースクリニック」など似た名称で検索した場合は、医院名と所在地を確かめ、漆原歯科・矯正歯科クリニックと別の施設を取り違えないようにしてください。

下のお子様を連れて通う場合は、院内設備や駐車場の有無も確認しておくとよいでしょう。健診の用紙と2〜3週間分の様子のメモがそろったら、相談時に持参してください。

よくある質問

Q. 出っ歯を最短で治す方法はありますか?

A. 歯の傾きによるものか骨格によるものか、成長がどの段階にあるかによって、方法も期間も変わります。どなたにも当てはまる短期間の方法をお示しすることはできません。急いで歯を動かすと、歯や歯ぐきに負担がかかる場合もあります。まずは診察で状態を確かめ、見通しを聞くことから始めてください。

Q. 4歳でも出っ歯になる子はいますか?

A. 乳歯の時期でも、指しゃぶりやおしゃぶりの習慣が続くと、前歯が前に出て見えることがあります。この時期は習慣の頻度や時間帯を確認することが中心です。気になる場合は、定期健診の際に相談しておくと経過を追いやすくなります。

Q. 子供の出っ歯を自力で治す方法はありますか?

A. 指で歯を押す、輪ゴムをかけるなど、ご家庭で歯を動かそうとすることは控えてください。歯の根や歯ぐきに負担がかかるおそれがあります。ご家庭でできるのは、指しゃぶりへの声かけや、鼻づまりが続く場合の受診など、習慣や環境を見直すことです。

Q. 6歳でも歯が抜ける前に新しい歯が生えてくることはありますか?

A. あります。特に下の前歯では、乳歯の後ろ側から永久歯が生えてくることがよくあります。永久歯が生えてきてもしばらく乳歯が抜けない、生える位置が大きくずれている、といった場合は歯科医院で確認してもらいましょう。

Q. 子どもの顎がポキポキ鳴るのは、出っ歯と関係がありますか?

A. 顎の音だけでは、出っ歯との関連や矯正が必要かどうかは判断できません。わざと鳴らす癖がある場合は控えるよう声をかけてください。痛みや口の開けにくさがある場合は、受診時に噛み合わせとあわせて伝えると確認がスムーズです。

参考文献

1. 厚生労働省「健康づくりサポートネット(疾病・健康に関する情報)」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/

2. 日本小児歯科学会 https://www.jspd.gr.jp/

3. Thiruvenkatachari B, Harrison JE, Worthington HV, et al. Orthodontic treatment for prominent upper front teeth (Class II malocclusion) in children. Cochrane Database Syst Rev (2013). PMID: 24226169 / DOI: 10.1002/14651858.CD003452.pub3

4. Batista KB, Thiruvenkatachari B, Harrison JE, et al. Orthodontic treatment for prominent upper front teeth (Class II malocclusion) in children and adolescents. Cochrane Database Syst Rev (2018). PMID: 29534303 / DOI: 10.1002/14651858.CD003452.pub4

5. 公益財団法人 日本医療機能評価機構「Minds ガイドラインライブラリ」 https://minds.jcqhc.or.jp/

6. El Guennouni B, Houb-Dine A, Ben Mohimd H, et al. Orthodontic treatment of deep bite in mixed dentition and/or early permanent dentition: What about stability? – A systematic review. Int Orthod (2025). PMID: 39742828 / DOI: 10.1016/j.ortho.2024.100956

漆原 優

歯科医師


漆原歯科・矯正歯科クリニック

院長

漆原 優

▶ 監修者プロフィール

経歴
埼玉県立熊谷高校 卒業
鶴見大学歯学部 卒業(Dental Material賞授与)
鶴見大学にて研修後、西麻布にある医療法人に勤めると同時に鶴見大学歯学部矯正科に非常勤専科生となる
鶴見大学歯学部有床義歯補綴学講座 大学院入学
※イタリア フィレンツェにてIADRのポスター発表 [An analysis of properties of microbiota adhered to alloy framework]
歯学博士授与後、鶴見大学有床義歯補綴講座にて学部助手として勤務
学部助手退職後、非常勤講師として所属
非常勤講師として在籍しながら科学研究費の交付を受け、実験研究を行う
都内医療法人銀座院、東京駅前院にて勤務
漆原歯科・矯正歯科クリニック 院長就任
資格・所属学会
歯学博士(甲種)
日本抗加齢医学会 会員
鶴見大学非常勤講師
日本顎咬合学会 会員
日本補綴歯科学会認定医
インビザラインドクターライセンス 取得
臨床研修指導医
ジアーズ 会員
日本歯科審美学会 会員
5-D JAPAN 会員
日本口腔インプラント学会 会員